SIM(シム)

Forum for the Social Implementation of M-GTA (M-GTA社会実装研究会)の略。

M-GTA

M-GTA(修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ:Modified Grounded Theory Approuch)とは,社会学者である木下康仁氏が,質的研究法の一つであるグラウンデッド・セオリー・アプローチ(GTA)に独自の修正を加えた質的研究の方法論である。1960年代に提案されたGTAは,看護・保健,医療,リハビリテーション,ソーシャルワーク,介護,教育,臨床心理などヒューマン・サービス領域において,独自の理論を生成する研究法として,関心を持たれた。M-GTAは,オリジナル版GTAの研究アプローチの特性を活かし,「今日的状況で実現すべく」実践しやすい方法に修正した「実践的な活用のための理論」である。

“M-GTA(Modified Grounded Theory Approuch:修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ)は当初の提案であるオリジナル版GTAの可能性を,質的研究が既存の多くの専門領域を横断して領域化した今日的状況において実現するために考案されたものである(木下,2020, p.3)”

質的研究

質的研究とは,現象の性質や特徴など数値で表せないデータ(質的データ)を扱う研究法であり,数値化したデータを取り扱う量的研究と対比される。対象によっては量的研究の適用が難しく,実験や統計には適さない研究課題を具体的な人や状況に基づき現象を解明する研究法として開発された経緯から,医学や看護学にも応用されている。仮説生成(仮説がない状態から仮説を作る),対象の理論化(質的データを抽象化して得られる概念を組み合わせ,対象を表現する理論を構築する),要素の抽出(量的研究では黙殺されてしまう少数の意見にも注目し,項目のバリエーションを確認する)により,理論を構築することを最終的な目的としている。代表的な分析法として,グラウンデッド・セオリー・アプローチが挙げられる。

引用文献
寺下貴美.第7回 質的研究方法論~質的データを科学的に分析するために~.日本放射線技術学会雑誌,2011,pp.413-416.

社会実装

「社会実装」は,独立行政法人科学技術振興機構(JST)の「社会技術」という概念から生まれた言葉である。「社会技術」とは,「人間や社会のための科学技術」という意味であるが,「社会実装」とは得られた「研究開発成果を社会で利用・展開して、社会における具体的な問題を解決する取り組み」である。

参考文献

木下康仁(2020)『定本M-GTA実践の理論化を目指す質的研究方法論』,医学書院
木下康仁(2003)『グラウンデッド・セオリー・アプローチの実践』,弘文堂
芽 明子・奥和田久美(2015)研究成果の類型化による「社会実装」の道筋の検討,社会技術研究論文集,12巻,pp.12-22
独立行政法人 科学技術振興機構 社会技術研究開発センター(2013)科学技術と社会の相互作用科学技術と社会の相互作用,「科学技術と人間」領域成果報告書, p.8