ヒントがたくさん
逐語を何度もよく読んで、分析ワークシートを使って概念化がだいたいできたら、分析テーマで確定した「プロセス」を理解するために、諸概念を類似性に着目しながら、分類していくことになります。
M-GTAの「概念化」とは、一般的に一次概念化であり、似た概念をさしあたりグルーピングするのが二次概念化で、M-GTAではそれを「サブカテゴリー」と言います。
サブカテゴリーができたら、それらの抽象度をもう一段あげて、三次概念である「カテゴリー」をつくり、「プロセス」を明示します。
こうした概念からカテゴリーまでの抽象化、すなわち概念の縮約は、このように書くと類似性の気づきの積み重ねですから、なんだか簡単なように見えます。
しかし、じっさい、この概念の縮約(抽象化)には思わぬ落とし穴があります。
その落とし穴とは、結果的に複数のストーリーができてしまうということ、すなわち無自覚的に話のパターンの類型化を行なってしまいがちだということです。
別言すれば、それはM-GTAのGTA化、あるいはGTA的なライフストーリー化の罠です。
そうした類型論の罠に陥ってしまう理由はいろいろありますが、一番の理由は、分析テーマの「プロセス」に即さないで、その作業を行なってしまう点にあります。
これは、SIM研修会に向けて、講師の樫尾直樹先生が書いて下さったメッセージです。毎回、研修会の募集要項に、こうしてメッセージを書いて下さっています。これだけ、明快な説明は類を見ないです。自分では木下先生の著書を一生懸命読んで、理解して、分析したつもりでしたが、こうして樫尾先生のメッセージを拝読していくと、「あれ?私のこと??」と思い当たる節が多すぎて、恥ずかしくなります。
今月末10/30は、いよいよカテゴリー化について、学んでいきます。詳細・お申し込みはこちらから。
