概念と概念の関係をみていく

こんばんは。M-GTA社会実装研究会(SIM)理事の山本です。しばらく更新が滞ってしまい、申し訳ありませんでした。報道で、豪雨の被害の大きさに、皆様のご無事を案じております。また、この度の豪雨で被災された方々には、心からお見舞い申し上げます。

さて、本日のブログのタイトルですが、ご存じの通り、M-GTAでは、概念生成の過程で、概念と概念の関係をみていく、つまり、概念同士の相互比較をしていきます。概念を生成しながら概念間の比較プロセスを同時進行で進めていくなかで、概念の定義の修正や、概念の吸収、統合、廃止などを行うことで、サブカテゴリ―やカテゴリーを生成していきます。こうした多重的同時並行であることが、「概念の完成度を高め、意味の境界の確定と同時に概念間の関係が、リアリティ感をもって判断しやすく」なります(木下、2020、pp.165-175)。この週末は、教育心理学会へのポスター発表に向け、結果図を作成していますが、この「概念の相互比較」をしっかり行っていくことで、それぞれの関係、動きが見えてくるのを実感しています。

実は、私ごとですが、寂しいことに、11年連れ添った愛猫がつい先日急逝しました。私にとっては、この世の中で一番大切な存在です。今も書きながら手が止まり、涙がいくらでも出てきます。でも、そんな状況であっても、この概念同士の相互比較を行っていくなかでは、分析にどんどんのめり込んで、しばし、そうした悲しみや喪失感から解放されました。作成した結果図は、きっと、ずっと後になっても「あの時、しんどかったなぁ」と思うのでしょうね。(文:山本)

引用文献

木下康仁(2020)『定本M-GTA-実践の理論化をめざす質的研究方法論』医学書院