M-GTAにおけるインタビューの大切さ

M-GTAとオリジナルのグラウンデッドセオリーアプローチとの大きな違いの一つに、「切片化」の有無があります。M-GTAでは、「複雑で多様な人間の経験をできるだけ自由に語ってもらったディテールの豊富な内容（木下, 2020, p.33)」を質的データと捉え、意味の深い解釈として分析します。そのため、インタビューでは、インタビュイーにいかに自由に語ってもらうかが大切になってきます。一方で、「インタビューは簡単にできると思われているかもしれないが、それは誤りである（木下, 2020，p.46)」とされているように、どうしても聞きたいことを聞こうとするあまり、「自由に語ってもらう」ことを阻害してしまう可能性さえあります。

SIMでは、30日（日）に「質的研究法におけるインタビューの実際」を慶応義塾大学の樫尾先生にご登壇いただきます。わからないまま、やみくもにインタビューを行うのではなく、ぜひ、フィールドでのインタビューのご経験が豊富な樫尾先生から、その具体的な手法や心構えを教えていただきましょう。zoomでの開催のため、気軽にご参加いただけます。また、期間限定無料会員にご登録の上、お申し込みされると、無料でご参加（非会員様は千円）いただけます。詳細はこちら。

お天気が変わりやすく、体調を崩しやすい季節ですので、皆さまご自愛ください！いつもお写真をご提供いただくHarryさんから新しいお写真を拝借してまいりました。毎回素敵な写真ばかりで、気持ちがほっこりします。（文：山本）

引用文献

木下康仁（2020）『定本M-GTA－実践の理論化をめざす質的研究方法論』医学書院