質的研究法におけるインタビューとは

皆さま、こんばんは。本日は、5月30日(日)に開催の第1回SIM研修会のご案内です。慶応義塾大学の樫尾先生に、「質的研究法におけるインタビューの実際」をご登壇いただきます。フィールドワークで数多くのご経験を持つ樫尾先生ならではのお話に、私も今から楽しみにしています。

インタビューを行う上では、いくつかの懸念点があります。インタビュアーのバイアスがかかってしまうことや、答えにくい質問をしてしまう、インタビュアーとインタビュイーとの理解に相違が生じてしまう、などです。こういった場合には、どのようにしたらよいのでしょうか。

マイクロカウンセリング技法では、インタビュー初心者も活用できる技法がたくさんあります。マイクロカウンセリング技法とは、面接の際のコミュニケーション技法を単位ごとに組み立て、マイクロ技法の階層表というシステマティックな枠組みを作り上げた(福原、2007)ものです。先ほどの「インタビュアーとインタビュイーとの理解に相違が生じてしまう」ことに対しては、マイクロ技法の「いいかえ、要約」が有用です。「いいかえ」技法は、相手の語りの本質を「こういうことでしょうか」とフィードバックすることです。「要約」技法は、「いいかえ」に共通するものがありますが、「いいかえ」より長く、面接の途中などで、それまで語られた内容を対象として用います。具体的には、「いいかえ」は、「頑張れそうと言ってくれました。でも、どこか納得していないような・・・」「頑張れそうと言ってくれた。でも、どこか納得されていないように感じたんですね」、「要約」は「ここまでのお話では、~といった部分が一番不安に思っていらっしゃるということなんですね」という感じで、理解が同じかどうか確認していきます。私も、普段の相談業務で、必ず行っています。こうしたカウンセリング技法については、部会や勉強会でシェアしていきたいです。

9日に開催された第1回SIM勉強会で、プレ部会と称してのLINE登録をご提案しましたが、登録できない事例がございました。そのため、チャットワークへ移行することになりました。勉強会にご参加いただいた方には、メールでご連絡させていただいています。ご登録はもうお済でしょうか。いきなりコメントを書くのは、ハードルが高い!という方も、まずはご登録いただいてみてください。(文:山本)

引用文献

福原眞知子『マイクロカウンセリング技法―事例場面から学ぶー』風間書房、2007、pp.1-9

Photo: Harry